やおら日記

日々のあれこれを なんやかんや書いているナマケモノ日記

【洋画】『スタンド・バイ・ミー』感想

先日、Amazon prime Videoを見漁っていると『Stand by Me』を発見。

 

今回は木暮が今まで観てこなかった名作『Stand by Me』の感想を書いていきます。

 

名作中の名作なので語られ尽くしている部分もあると思いますが、今のうちに感想を残しておこうと思います。

 

 

映画『Stand by Me』概要


www.youtube.com

公開年:アメリカ)1986年8月22日、(日本)1987年4月18日

上映時間:89分

原作:スティーヴン・キングスタンド・バイ・ミー

主題歌:ベン・E・キングスタンド・バイ・ミー

監督:ロブ・ライナー

 

主な登場人物(少年4人)

ゴーディ・ラチャンス(主人公)

クリス・チェンバーズ

テディ・ドチャンズ

バーン・テシオ

 

あらすじ

1959年オレゴンの小さな町。文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。死体を発見すれば一躍ヒーローになれる!4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した・・・・・・。

(引用)スタンド・バイ・ミー | ソニー・ピクチャーズ公式

 

感想

「少年たちの冒険」と言うと、冒険心や好奇心がくすぐられるワクワクする映画かと思いましたが、この『Stand by Me』は少し毛色が違う印象を受けました。

 

「死体探し」という冒険の動機自体に物々しいものもありましたが、線路沿いを進む中で起こる問題は「ザ・冒険」ではなく、家庭環境について侮辱され傷ついたり、兄弟の死を受け止めきれないなどのリアルな問題で、「死体探し」の結果も気になるけれど、この4人の今後はどうなるのかという方にも気になる物語展開でした(もちろん物理的に”身の危険”を感じる問題もありました)。

 

 

その中でも特に印象に残ったのが

ゴーディがクリスに、兄弟の死を受け入れられずにいることを打ち明けるシーンです。

 

 

主人公ゴーディは兄やクリスからも作家としての才能を認められ、このときの野宿でも何か面白い話をしてほしいという要望に応える形で、空想の「パイ食い競争大会」の話を披露します。その後のバーンやテディの反応はまた別のお話です。

 

ゴーディは物語を作る才能はあるけれど、父親などからはその才能を認められていない状態でした。そしてゴーディ自身は自分が父親に嫌われていると思い悩み、それを口にします。それに対してクリスは

 

「(君の父親は)君を知らないんだ。君はきっと大作家になるよ。書く材料に困ったら、ぼくらのことを書け」

(括弧内は木暮による補足)

 

という言葉をかけます。

 

実際、物語の語り手である主人公ゴーディは、作家としてこの12歳のときの思い出を書き連ねているのですが、その後の4人の人生や関係を考えると、このクリスの言葉はこの映画を観るにあたっての大きなキーワードになっていると思いました。

 

ゴーディたちが大人になって、当時の4人で集まることは無くなったけれど、小説という形で書き連ねることでこの4人の思い出は永久に残るということや、

ゴーディがこの物語を書いたということは、”何らかの形”でゴーディが執筆に困ったということなのではと考えると、この映画を鑑賞した身としてもこの話は忘れがたいと思いました。*1

 

また冒険の終わりに、ゴーディとクリスが別れる場面で交わされる会話も印象的です。

 

そのときの会話がその後のそれぞれの人生に活かされていったということも、あのとき経験した思い出が”あのとき”だけで終わらずに、その後も生き続けているという点で、これからの人生でも忘れることができない思い出としてゴーディに残り続けるのだろうなと思いました。

 

個人的にこのとき交わされた会話は、田舎出身で一旦地元を去った木暮には、他人事とは思えないものだったので、いまだにこのときの会話が頭から離れません。

 

『Stand by Me』といえば

『Stand by Me』といえば、同名の主題歌も有名だと思います。

木暮も中学校の時の英語の授業で「Stand by Me」の歌詞を和訳したりしました。

その時はちんぷんかんぷんで、「ふ〜ん。そんな意味なんだ」程度の印象でした。

 

 

さて、その主題歌ですが率直な感想を言うと、

映画を観る前と観た後じゃ、曲の印象が変わる!

 

いや、

印象が変わるというよりも「歌詞の意味に色々と重ねてしまう」

 

という方が近い表現かもしれません。

 

”Stand by Me”という一言が、主人公ゴーディがあのとき、共に過ごした親友に対する言葉だと考えると、これまで以上にその歌詞に深みが増したというか…

 

あれから映画の余韻に浸るために「Stand by Me」を聴いて感傷に浸っています。

 

 

余談ですが、

中学の英語の授業では学期ごとの期末テスト解答用紙返却後に英語の先生おすすめの洋画を字幕で観るということがあり、いつか忘れましたが『Stand by Me』も授業の一環で観ることになりました。

 

しかし間が悪いことにこのとき、持病の喘息の発作のために欠席をしてしまい、観ることができずに後日、友達に感想を聞くと「そんなに面白い話ではなかったよ」ということでした。

 

ただ、もしかしたらこの友達も今の年齢になって『Stand by Me』を観れば感想が変わるのではないかと勝手に思っています。

 

でももうその友達とは中学卒業以来、特に理由はなく疎遠になっているので、今となっては映画の感想を言い合うなど、連絡を取ることはできません。

 

 

木暮自身、もっと早く観ておけば「また違った青春がおくれたんじゃないか」「もっと違う見方ができたのではないか」という自分に都合の良い考えもよぎりました。

 

どちらにせよ観るのは早いに越したことはなかったと思いましたので、まだ観ていない人はぜひ観てほしい一作です。

 

関連サイト

www.sonypictures.jp

 

原作小説は新潮社から出ています。

www.shinchosha.co.jp

*1:「”何らかの形で”執筆に困った」という点についてはここでは詳細に書きませんが、この映画を見た人ならわかってくれるはずだと思いながら明記は避けます。「ネタバレ無し」のボーダーラインが難しい…