2024年2月〜3月に購入した本リストと感想などを書いています。
2月〜3月に購入した本
出版年月日、出版社は割愛しています。
- 入江亜季『北北西に曇と往け』(1)
- 角田光代訳『源氏物語1』
- 九段理江『東京都同情塔』
- 田辺聖子『田辺聖子の小倉百人一首』
- 地主『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』(4)
- 中村一般『えをかくふたり』(1)
- 宿野かほる『ルビンの壺が割れた』
- ラテン語さん『世界はラテン語でできている』
- 和山やま『カラオケ行こ!』
- シャミッソー『影をなくした男』
- 『文藝別冊 総特集 角野栄子 水平線の向こう』
漫画や小説などを主に購入していました。
そのなかでも3冊の本についてそれぞれ書いていこうと思います。
中村一般『えをかくふたり』
出版年月日:2024年2月14日 初版第1刷発行
出版社:小学館
本の内容
そのロボットが港町に住む青年の元にやってきたのは桜が少し散り始めた春の日でした。
絵を描くことを仕事に暮らす25歳の花海修。彼の家へやって来たのはAI人型ロボットのハル。
自分には心も意識もないらしいと語るハルですが、彼の目に絵はどう映るのか…?
えをかくふたりの、生活が始まります。
今回の購入本では漫画作品が多めになりました。そのなかでも特に好きな世界観だった作品が『えをかくふたり』でした。
以前から著者のTwitter(現・X)にて作品を見て気になっており、今回、本という形で作品に触れることができて嬉しかったです。
港町に住む絵描きの青年と、彼のもとにやってきたロボットの共同生活の雰囲気や、ふたりが相互で影響しあっている暮らしの様子などを、ゆっくりと読み進めて穏やかな気持ちになる不思議な漫画でした。
角田光代訳『源氏物語1』
出版社:河出書房新社
ブログ再開までの約2ヶ月は怪我から始まり、体調の変化などで思うように動けないことが多く、横になりながら映像作品を観ていました。
その中で今年の大河ドラマ『光る君へ』を観るようになり、これまで古典の授業以外で触れてこなかった『源氏物語』を読んでみようということで、角田光代訳バージョンの『源氏物語』を購入しました。
『源氏物語』と言ってもさまざまな方が現代語に訳されており、とても迷いました。
それらの中でも、以前『八日目の蝉』を読んだことのある角田光代さんの訳で読み始めようと考え購入しました。
現時点では「桐壺」を読み終わった段階ですが、細かい単語などは調べるとしても思っていた以上に読みやすく、大河ドラマが終わる前には文庫4巻分を読み終えることができるのではないかと思っています。
登場人物が多い分、その人物の性質などを都度都度で振り返らずとも、会話の中などでどういう人物だったのかについて説明がすっと表されているので、そういう点が特に読みやすく感じる部分かなと考えています。
ちなみに東洋経済オンラインとのコラボにより、毎週日曜日に無料ためし読み最新話を配信しているそうです。とても贅沢。
宿野かほる『ルビンの壺が割れた』
出版年月日:(単行本)2017年8月22日、(文庫)2020年2月1日
出版社:新潮社
本の内容
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!
担当編集者による付記を加えても文庫で175ページという長さの小説でした。
フェイスブックのメッセージのやりとりで物語が展開していくという構造で、やりとりをする二人の過去と現在に至るまでを想像しながら読む体験はとても興味深かったです。
読み終わったときは呆然としてしまいましたが、付記を読んでこの小説を表す「万華鏡」という言葉に納得し、その流れで最初から読み直しました。
最初から読み直すと自然とメッセージに書かれている言葉の受け止め方が変化していることに気づき、二人の関係が未練というひとことでおさまるものではないのだと感じ、頭の中が少し混乱するような、でもスッキリするような感覚になりました。
おわりに
2ヶ月分の購入本まとめでした。
3冊に絞って書きましたが、そのほかの本については別に感想記事を公開したいと考えているものがいくつかあります。
まずは『東京都同情塔』を読み終えなければ…!
余談ですが、ひさびさにブログに帰ってきたところ、はてなブログのヘッダーが変わっていてプチ浦島太郎状態でした。
そのほかにも変化があったようで、なかなかその状況に慣れずにいますが4月もどうぞよろしくお願いします。